ブーン系小説をまとめて紹介しているサイトです
HOME | 問合せ
('A`) 麻雀で対決するようです

〜5〜

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/21(火) 23:41:28.76 ID:Q3tf7FJw0
 


 一回目の半荘が終わった丁度そのとき、
 ブーン達のいる卓のほうへ、メンバーが巡回してきた。


( ><) 「お飲み物のお代わりは、いかがいたしましょうなんです!」

(´・ω・`)「あ、オレンジジュースを」

( ^ω^) 「僕はコーラ一筋だお!」

ξ゚听)ξ 「ええっと、私は……どうしようかな」

( ^ω^) 「ドクオは何にするお?」

('A`) 「ん、ああ……」

( ^ω^) 「おっおwwwちょっとラスったくらいでくよくよするなおwww」

(;'A`) 「べ、別にそんなんじゃねえよ……」

( ^ω^) 「なんだか元気ないみたいだおwww
       どーんとデッカく構えてないと、クーに嫌われちゃうお?」

(;'A`) ビクッ

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/21(火) 23:43:03.02 ID:Q3tf7FJw0
 
 本日、ドクオがお洒落(あくまで普段に比べて)させられる羽目になったのは、
 彼がクーに抱いている淡い気持ちを、ブーン達に悟られたためである。
 「それなら、もーちょいちゃんとした格好しなきゃ!」という、ツンの鶴の一声が発端だった。


ξ゚听)ξ 「ドリンクって、他に何があるんですか?」

( ><) 「こちらのメニュー表をどうぞなんです!」

( ^ω^) 「お? この” ミナギルンZ ”って何だお?」

( ><) 「栄養ドリンクなんです。
       ただし、これはフリードリンクに含まれないんです」

(´・ω・`)「アルコールや栄養ドリンクは、別料金なんだよ」

( ^ω^) 「これって効くのかお?」

(´・ω・`)「そりゃあもう……翌朝まで絶倫、ギンギン、ビロンビロンさ」

(; ><) (飲んだことあるんですか、この人……)

( ^ω^) 「ドクオ、我慢してこいつを飲むお。 良薬口に苦しだお」

(;'A`) 「あ、マズいこと前提なんだ……」

78 :>>75  <(´・ω・)>しまった! こりゃうっかり![]2008/10/21(火) 23:44:27.19 ID:Q3tf7FJw0
 
( ^ω^) 「今日は歩き回ったせいか、表情に疲れが浮かんでるお。
       クーにそんな顔は向けられないお?」

Σ(;'A`) ビビクッ

(;'A`) 「べ、別にそんなんじゃ……ないんだからね」

(´・ω・`)「一本でよければおごってあげるよ」


 その台詞に、渋っていたドクオの表情がパッと明るくなる。


('A`) 「……え、ほんとに?
    ……うし、じゃあそれいってみようかな」

ξ゚听)ξ 「ちょw、マジで頼むの、これ?」

('A`) 「……うん、ここでエナジー注魂しないとな」

(´・ω・`)(注入しすぎて危険なことにならないといいけどね)

79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/21(火) 23:45:56.28 ID:Q3tf7FJw0
 
('A`) 「これで……デッカい男になれるかな?」

( ^ω^) 「なれるお。 グングン伸びるお」

(*´・ω・`)*'A`) (グングン……♪)

ξ;゚听)ξ 「また適当なことを……」

( ^ω^) 「ぷはーマズい!! 全長80メートル!!」

(;'A`) 「いや、そこまではいい」

(; ><) (この店壊れちゃうんです……)


 http://blog-imgs-21.fc2.com/o/w/a/owatalife/odai1.jpg

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/21(火) 23:48:06.52 ID:Q3tf7FJw0
 

 
 それからほどなくして二回目の半荘がスタート。
 さらに一時間ほどして、入口のドアベルが、カランコロンと軽快に鳴り響いた。


(`・ω・´)「いらっしゃいませ。 お、クーちゃんか」

川 ゚ -゚) 「どうも。 今日はセットなのだが……」

(`・ω・´)「ああ、あっちの卓にいるよ……ん?」

川 ゚ -゚) 「ああ。 こちらは……」


〜 〜 〜


(* ^ω^) 「ツモだお! 2000−4000は2100−4100!」

Σξ;><)ξノ 「うぅ〜、まくられたぁ!」

( ^ω^) 「おっおっおっwwwオーラスの魔術師と呼んでくれおwww」

ξ;゚听)ξ 「東場あれだけ振り込んだくせに、しっかりトップ取っちゃって、もう……」

( ^ω^) 「うはwwwww正義は最後に勝つんだおwwwww」

ξ#゚皿゚)ξっ< ;゚ω゚)ノシシ 「じゃあ私は悪か! んー!?」
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/21(火) 23:49:39.94 ID:Q3tf7FJw0
 

 
(;´・ω・`)「ちょっと落ち着きなってば……」

(;'A`) 「うう……む」

(|||'A`) (あがらず振らず、また……ラス……)


(´・ω・`)「……とにかく、点数を記録して……おっと」

Σξ゚听)ξっ< ゚ω゚ )ノ 「あ!」


 ドクオの二連ラスをもって半荘が終局したところで、
 卓の隅からクーがひょいと顔を出した。


川 ゚ -゚)ノ゙ 「やあ、丁度いいところで来れたみたいだな」

Σ( 'A`) ピクリ

('A`*三 クルッ

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]2008/10/21(火) 23:52:40.00 ID:Q3tf7FJw0
 
っ< ^ω^)ノシ 「おいすー。 待ってたおー」

(´・ω・`)「バイトお疲れ様。 意外と早かったね……ん?」


 全員の視線が、クーの隣に集中した。
 彼女の後ろから、もう一人の人影が現れたためだった。


从 ゚∀从 「……どもっ」

(; ^ω^)ξ;゚听)ξ (;'A`) 「「「?」」」


 細身でスラリとした長身、肩まで伸ばした茶髪から色白の肌が覗く。
 登場した若者は、ラフな格好ではあるが、
 いかにもジャニ系の美少年風、といういでたちだった。

 首から上だけ曲げて、軽く挨拶を交わす。
 ブーン達もそれにならって頭を下げる。

 動きにあわせて、シルバーのチェーンをはじめとする装飾が、
 ジャラジャラと音をたてた。

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/21(火) 23:54:32.10 ID:Q3tf7FJw0
 
(´・ω・`)「クーちゃん、そちらは?」

川 ゚ -゚) 「ああ、バイトの先輩でな……
      まあ、年は一つ下なんだが」

从 ゚∀从 「ども、高岡っス。 オレも打たせてもらっていいスか」

(´・ω・`)「ん? それはもちろん構わないけど……」

从 ゚∀从 「すみませんねwww突然押しかけてwww」

(; ^ω^)ξ;゚听)ξ 「……」


 気さくなのか物怖じしないのか、
 高岡という若者は、初対面とは思えない軽い態度で話し掛けてきた。


(´・ω・`)「高岡……くん? が来ることは、今日決まったの?」

川 ゚ -゚) 「ああ、ついさっき。 バイトの上がりが同じ時間だったんだ」

川 ゚ -゚)ゞ 「私が麻雀やると知ったら、高岡がどうしても一緒に来たいと言って……」

89 :>>86うんこ言うな!! かもすぞ!![]2008/10/21(火) 23:55:59.11 ID:Q3tf7FJw0
 
从 ゚∀从 「いやー、だってさ!
      まさか、クーさんみたいな人が麻雀やるなんてねwww」

川 ゚ -゚) 「まあ……今まで言ってなかったからな」

从 ゚∀从 「ほーんと、人は見かけによらないよなーwww」


 コミュニケーション能力に長けていることは見た目からも明らかであり、
 ブーンや、特にドクオとは正反対のタイプと言える。
 明るくハキハキとした態度と、何よりその容姿からして、いわゆるリア充を思わせる。


ξ;゚听)ξ ボソボソ (ひゃー、カッコイイ人だね)

(; ^ω^)ボソボソ (クーと二人で並んでると、モデルか何かみたいだお)

(;'A`) 「……」


 この時点で、ドクオが強い苦手意識を高岡に抱いたのは、想像に難くない。

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/21(火) 23:58:01.19 ID:Q3tf7FJw0
 
从 ゚∀从σ川゚ -゚) 「ねえねえ、彼女強いの、麻雀?」

(´・ω・`)「え? うん、それは保証するよ」

从 ゚∀从 「そっかーwwwそりゃ楽しみだなーwww」

川*゚ -゚) 「大したことはない、素人と変わらん……」

从 ゚∀从 「いいっていいって、オレが教えてあげるからwww仕事と同じで麻雀もさwww」

(;'A`) (な、なんなんだよコイツ……)

(|||'A`) (というか、バイトの時どう接してるんだろ? 気になる……)


 髪をかきあげ、ふんぞり返る高岡に対し、ブーンが訊ねた。


( ^ω^) 「高岡くん? だっけ。 君はどのくらい打てるのかお?」

从 ゚∀从 「どのくらいって? フツーに打てますよ。 フツーに」

93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:00:17.27 ID:/oWzz9Gw0
 
( ^ω^) 「そうかお……なんだか強そうなオーラが漂ってるお」

从 ゚∀从 「強いスよ。 仲間内じゃ負けナシっス」

(;´・ω・`)「はあ、相当自信があるみたいだねえ……」

从 ゚∀从 「まあ、たぶんこの中じゃ最強じゃないっスかねwww」


 (; ^ω^)( ´・ω・) ピクッ


(´・ω・`)「……ほう、ならばお手並み拝見といこうか」

ξ;゚−゚)ξ ボソボソ (ちょっとクー、何なのこいつ)

川;´ -`) ボソボソ (す……すまない。 一度は断ったんだが……)

ξ||゚−゚)ξ ボソボソ (いや、まあクーが悪いわけじゃないから、謝る必要はないけどさ……)

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:02:03.49 ID:/oWzz9Gw0
 
 高岡は卓上にある二枚の牌をつかみ、
 カチャカチャと小手返ししながら、ブーンに訊き返した。


从 ゚∀从 「で、ルールは何スか? ナシナシっスか?」

( ^ω^) 「アリアリだお」

(´・ω・`)「喰いタン有り・後付け有りのごく一般的なルール、赤は三枚入りだよ」

从 ゚∀从 「クイタンあるんスか、お子ちゃまルールっスねwww」

(; ^ω^)ボソボソ (クイタンはお子ちゃまルールなのかお?)

ξ;゚听)ξ ボソボソ (わ、私に聞かれても……)

从 ゚∀从 「プンリー(オープンリーチ)は? あーあと真似満は?」

(´・ω・`)「いや、そういうのはナシ」

从 ゚∀从 「マジで? 入れりゃいいのに。 つまんねー」

(; ^ω^)ボソボソ (オープンリーチってオトナルールなのかお……?)

川;゚ -゚) ボソボソ (いや、別に私はそうは思わないが)

96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:03:42.90 ID:/oWzz9Gw0
 
(#´・ω・`)「ま、まあとにかく、僕らはこのルールでやってるから、
       無理なら他で……」

从 ゚∀从 「全然オッケースよwww
       別に、そのくらい合わせられますからwww」

(((#´・ω・`)))ピクピク

ξ#゚听)ξ (さ、さっきから聞いてりゃあ……)

(#'A`) (仲間に入れてもらうってのに、言いたい放題だな……)


 ツンたちが、互いの視線によって高岡への敵愾心を共有したところで、
 ブーンが唐突に口を開いた。


( ^ω^) 「ところでクー、ドクオの姿を見て何か気付かないかお?」

Σ('A`) ピクン

川 ゚ -゚) 「何かって……お?」

(*'A`) イヤン

从 ゚∀从 「?」

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:06:14.17 ID:/oWzz9Gw0
 
 その言葉を切っ掛けに、クー達はドクオのほうをまじまじと眺める。


川 ゚ -゚) フムフム

川 ゚ -゚)b 「心なしか、いつもより小ざっぱりとした格好だな」

Σ(*'A`)

ξ゚ー゚)ξ 「あ、やっぱりわかった?」

( ^ω^) 「クーに会えると思って、おめかしして来たんだおwww」

川 ゚ -゚) 「え?」

从 ∀从 ピクッ

Σ(;'A`) 「わああ! ば、バカ! そんなんじゃくぁwせry@:」

( ^ω^) 「実はコレ、クオリティデパートで、上下合わせて6980円の……」

Σξ;゚听)ξ 「わー! ね、値段はいいじゃない値段は!!」

(;´・ω・`)(ブーンはお人よしなのかなんなのか……)

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:08:00.38 ID:/oWzz9Gw0
 
 慌てふためき、前のめりにつまずくドクオ。
 そんな彼に対し、クーは頷きながら、意外な答えを発した。


川 ゚ -゚)b 「そうだったのか。 うん、なかなかオシャレだな」

 ( ゚A゚) て

(;´・ω・`)ξ;゚听)ξ (……mjd!?)

( ^ω^) 「お、クーもそう思うお?
       ちなみに、今日のドクオは一味ちがうお!」

川 ゚ -゚) 「ほう、楽しみだな」

(*'A`) 「……」

(*'∀`) ニカッ

( ^ω^)b 「今んとこ、二連続ラス喰ってるけどおwww」

(|||'A`) 「……」

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:09:00.76 ID:/oWzz9Gw0
 
川 ゚ -゚)o 「そうか、じゃあここから挽回しなきゃだな」

( ^ω^) 「クーが来たから、今まで以上に張り切れると思うおwww」

川 ゚ -゚) 「え?」

(;'A`) 「わ、ちょ、おま、うぇ」

ξ*゚∇゚)ξ 「かっこいいとこ見せなきゃね♪」

川 ゚ -゚) 「?」

(;'A`) 「い、いやその、あはは……」

从 ゚∀从 「……」

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:11:45.07 ID:/oWzz9Gw0
 
(´・ω・`)「さーて、その期待を完膚なきまでに叩き折ってあげるかな」

ξ;゚听)ξ 「先輩はちょっと空気読んでよね」

( ^ω^) 「ほんなこつ、この人マジKYだお。 KY大王だお」

(;´・ω・`)「ブーンにだけは言われたくないんだけど……」

川 ゚ ー゚) 「ふふふ……」

(*'A`) 「……」

从 ゚∀从

从 ∀从 (……へーえ、そうかいそうかい)


 牌を流し、点棒を元に戻したところで、ツンが小首をかしげた。


ξ゚听)ξ 「あ、でも二人が入るなら、打つ順番はどうする?」

(´・ω・`)「六人いるから、二人ずつ交代って感じになるかな」

( ^ω^) 「お、抜け番を決めないといけないお」

(´・ω・`)「ならこうしようか……よっと」 カチャカチャ

ξ゚听)ξ 「何してるの?」
104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:12:53.24 ID:/oWzz9Gw0
 
(´・ω・`)「ん」 カチャ

( ´・ω・)ノ 「1と2の牌を混ぜたから、順番に引いて。
        1を引いた二人は、先に抜け番ね」

川 ゚ -゚) 「ああ、すまないな」


 卓に伏せられた牌に、おのおのが手を伸ばす。
 そんな中、皆の動作に従って腕を伸ばしかけたドクオの肩に、
 ぽん、と高岡の手が置かれた。


从 ゚∀从 「……おい」

Σ('A` ) 「え?」

从 ゚∀从 「ちょっとさ……、ツラ貸してくんね?」

(;'A`) 「え、あ、な、なんだ!?」


 そのまま椅子を引き、ドクオの襟を掴んで強引に立たせると、
 高岡は出口に向かってずんずん歩き出す。

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]2008/10/22(水) 00:13:58.20 ID:/oWzz9Gw0
 
Σ(; ^ω^) 「ほえ?」

川 ゚ -゚) 「どこ行くんだ?」

从 ゚∀从 「ちょーっと電話してくるwww先に打っててwww」

(;'A`) 「え、いや、なんで俺も……うわわわっ」

ξ;゚听)ξ 「ちょ、ドクオが……」

(; ^ω^) 「……あう、拉致されちゃったお……」


 ドクオは、ずるずると高岡に引き摺られていったのだった。


〜6〜へ


HOMEに戻る ニュー速VIPのブーン系小説まとめ
Copyright © 2008 Boon Novel. All Rights Reserved.
inserted by FC2 system